CCIEとネットワーク業界


2011/8/27(土)

 ネットワーク業界以外の人にはあんまり関係のない話だけど、業界外の人にもなるべく分かる形で書いてみる。



 ネットワークのメーカで世界トップはCisco。
 他にも色々なメーカがあるが、ネットワークエンジニアを目指すなら、Ciscoは切り離せない。
 Ciscoだけで生きていくことはできても、Cisco抜きでネットワークエンジニアをやっていくのは、ほとんど不可能に近い。



 ネットワークエンジニアを目指す人なら、必見というサイトがある。

ネットワークエンジニアとして



 ネットワークエンジニアとはどういう仕事なのか。
 勤務形態や収入、資格など、多岐に渡って書かれている。
 管理人が経験が豊富な超一流のエンジニアなだけあって、実務的で説得力のある内容だ。



 ネットワークエンジニアの資格はいくつかあるが、こんなグレードアップが一般的だ。
 Ciscoのベンダ資格になる。



  CCNA → CCNP → CCIE



 最後のアルファベットで考えると分かりやすく、



  アソシエイト → プロフェッショナル → エキスパート



 となっている。
 エキスパートまでいったら、ネットワークエンジニアの王様。
 更にその上、最上位にはアーキテクトというのもあるが、これは資格保有者が少ないことから、市場価値はよく分かっていないと聞いた。



 あとは、国家資格だと「ネットワークスペシャリスト」、通称「ネスペ」というものがある。



■CCNA(アソシエイト)
・ネットワークエンジニアになる人がまずとるべき資格
・業界未経験でも、1〜2ヶ月勉強すればとれる
・これを持っていたら何ができるって指標にはならない
・認定後は3年以内に更新しないと失効する



■CCNP(プロフェッショナル)
・取得にはCCNAを保有していることが条件
・割と最近に改訂され、現在はRoute、Switch、TroubleShootの3科目をとると認定される
・CCNAよりはかなり難易度が上がる
・これを持っていれば、ネットワークエンジニアとして、一つの指標とは見なされる
・認定後は3年以内に更新しないと失効する



■CCIE(エキスパート)
・取得に他の資格は必要ない
・7科目あって、どれをとってもCCIEホルダーとなる
・筆記試験に合格した後、ラボでの実技試験に合格すると認定される
・受験料が高い
 筆記試験の受験料:44,100円
 ラボ試験の受験料:174,825円
・ラボ試験の難易度はすさまじく、これをとった人は、ネットワークエンジニアの王様と呼ぶべき存在
・最も取得者が多いのは「Routing & Switching」で、まずはこれから目指すべき
・最も難易度が高く、最も資格価値が高いのは「Security」で、これは生半可な覚悟ではとれない
・アメリカでは、CCIE保有者の平均年収は1,500万円
・学生でとるのは、おそらく不可能
・認定後は2年以内に更新しないと失効する(厳密にはちょっと違うが、ここでは省略)



■ネットワークスペシャリスト
・メリット:国家資格だから、1度とったら失効しない
・デメリット:とるのが大変な割に、市場価値が低い
・がんばれば学生でもとれる



CCIE

CCIEのちから1

CCIEのちから2



 上記サイトを見れば分かる通り、CCIEホルダーとなったら、年収1,000万円超えも夢ではない。
 そして、世界で通用するネットワークエンジニアと見なされる。



 ほんで、サイトに記載されている、CCNAを「1」としたときの市場価値がこちら。



CCNA:1
CCNP:3
ネットワークスペシャリスト:5
CCIE:1000




 CCIEは桁外れってことですな。



 実は、筆記試験は本番とほとんど同じ問題が出題される、模擬問題集が出回っており、これさえ勉強すればとれたりする。
 自分の周りにも、これを使い、2ヶ月勉強しただけで合格した人がいる。



 問題はラボ試験。
 難易度にして、筆記試験の1000倍以上。
 要は、CCIE=ラボ試験といっても過言ではない。



■CCIEラボ試験
・試験時間は8時間という長丁場
・174,825円という高額な受験料からくるプレッシャー
・問題文の長い英語による難問
・外国人の試験監督による試験説明
・問題発生時の英語でのコミュニケーション
・時に1つの問題に20行ものコマンドを入力し、PING疎通ができるようになっても、題意を満たせていないと点数をもらえない

・トータルスコアの80%以上で合格
・再受験は、筆記試験の有効性を保つために、12ヶ月以内にする必要がある
・筆記試験の合格から18ヶ月以内に、最初のラボ試験を受験する必要がある
・筆記試験の合格から3年以内にラボ試験に合格しない場合、再度筆記試験を受験する必要がある

・ラボ試験は筆記試験のように、同じような問題が出題される問題集などは存在しない
・筆記試験とは異次元の難易度
・仮に、「的中率の高いCCIEラボの問題集!」とあっても、それはウソだといえるし、万が一、そのような存在があれば、Ciscoから即時に訴えられて、消えてなくなると思われる
・Ciscoはとりわけ、CCIEラボ試験の機密に関してはかなり厳格なものにしている

・ラボ試験は、コマンド入力による実機操作の試験であるとはいえ、コマンドを入力するためには、その技術の正確な理論を正しく理解している必要がある
・その理論は筆記試験の勉強段階にてしっかりと学習しておけば、ラボ試験の際に大きな助けとなる

・いくつかの厳格なルールがある
・試験が行われるラボルームには、どんなメモやドキュメントを持って入っても、持ち出してもダメ
・試験中、試験後に試験に関する相談は質問、対応をしてくれるプロクターなどを除いてNG
・これらのルールを破ると試験は不合格となり、少なくとも1年間はラボを受験することができなくなる



 ふー。
 さすがにネットワークエンジニアの最高峰は、ハンパじゃない。

 自分の周りも、筆記試験に合格した人はそこそこいるが、ラボ試験まで合格した人は、そう多くない。

 ほんで、これを見る限り、筆記だけなら模擬問題集でいけちゃうが、ちゃんと内容を理解していなければ、ラボは到底、無理だと。



 ちなみに、CCIEをとろうとしたときの リスクがこちら

 ぐはー、エグいな。