キミの夢が叶うのは 誰かのおかげじゃないぜ




『SKET DANCE』というマンガです



 日本が誇るバレエダンサー、熊川哲也さん。

 10歳でバレエを始め、高校1年で英国ロイヤルバレエ学校留学。
 1989年、第17回ローザンヌ国際バレエコンクールで日本人初の金賞を受賞し、その演技は絶賛された。
 同年英国ロイヤル・バレエ団に東洋人として初めて入団し、バレエ団最年少でソリストに昇進。



 まさしく天才でしょう。



 何年も前のことだけど、はっきりと覚えていることがある。
 セリフは正確なものじゃないが。



 熊川さんがテレビに出ていて、
「どうしたら熊川さんみたいになれますか?」
 と聞かれていた。



 そのときの返答。







「これはよく聞かれるんだけど、正直いつも答えに困る。
 誰でも僕みたいになれるわけではないから。
 だから、努力している人には申し訳ないんだけど、僕がいいたいのは、自分の才能を見極めなさいってこと
」







 シビアー。
 確かに、あなたが才能に溢れていることは分かるけど、本気で夢見て努力している人からしたら、がっかりするでしょう。





 また、作家の江國香織さん。

 2004年、『号泣する準備はできていた』で直木賞受賞。
『きらきらひかる』『落下する夕方』『神様のボート』などの小説作品で、女性のみずみずしい感覚を描く作家として人気を得ている。



 そんな江國さんの言葉。







「センスがいいとか悪いとかいう人がいるけど、それは違う。
 センスはあるかないかだ
」







 シビアー。

 江國さんの小説はいくつか読んでいて、短編集『冷たい夜に』の『デューク』は短編として最高の出来栄えだと思うし、同じく短編集『温かなお皿』の『とくべつな早朝』のラストなんかホントに温まるし、『きらきらひかる』もよかった。



 才能のある人にいわれると、ずしーんときます。





 誰だか忘れてしまったが、少し前にも「才能がない人は成功しない」といった発言をし、
「そんなこといったって、努力しないと前に進めないじゃないか」
 と批判されていた著名人がいた。





 誰もがイチローになれるわけではない。

 しかし、イチローが並外れた努力をしていることも有名だ。
 常にバットを持ち歩いて、感覚を持ち続ける。
 イチローが高校時代を過ごした地元に住んでいたという知人がいるのだが、当時のイチローは走って高校まで通っていたらしい。
 その知人曰く、一般人からしたらとても毎日走るなんて考えられない距離だったそうな。





 寺田克也さんというイラストレーター、漫画家がいる。
「お前は上手くていいよな」といわれ、
「じゃ、お前は俺の倍、描いているのか」と腹を立てた話は、知る人にとっては有名らしい。





 誰もがスーパースターになれるわけではない。
 世で活躍する一流の人たちは、並外れた才能と、並外れた努力が合わさった賜物なんだろう。
 才能と努力、そのどちらか片方だけでなれるものではない。





 自分に才能があるかどうかなんて、そう簡単に分かることではない。
 だから、結局は努力しないで簡単に上記の人のような位置にいくことはできない。





 そして、世で成功している人と同じぐらい努力した結果、そこには届かなかったとしても、そのときに得ているものは、計り知れないものがあるんじゃないだろうか。





 ……いやはや。
 熱くなって書いたけど、おいらもそんな偉そうにいえるようなことをしているわけではないので。



 ただ思うのは、熊川さんや江國さんの言葉を聞いたからって、自分はダメだー、才能ないよーって諦める必要はないんだと。
 本気で夢見て、本気で努力して、潰れていった人を見ているから、シビアにもなるだろうし。







   キミの夢が叶うのは 誰かのおかげじゃないぜ
   風の強い日を選んで 走ってきた

   飛べなくても不安じゃない
   地面は続いているんだ
   好きな場所へ行こう
   キミなら それが出来る


 the pillows『Funny Bunny』より