ITERと原発




 真面目な話をします。
 ITER(国際熱核融合実験炉)と原発についてです。

 最初にITER、次に原発について書きます。
 特に、「---ここから---」っていうところから先は、ディベートをやっている方なら読んで損はないと思います。

 ITER(国際熱核融合実験炉)というのは1億度以上の高温下で重水素とトリチウムの原子核同士を融合させてエネルギーを生み出す「熱核融合」の実験施設です。
 燃料1グラムから石油8トン分のエネルギーが得られるとされています。
 燃料となる重水素はほぼ無尽蔵にある海水から得られるなどの利点があり、実用化されれば不安定な中東に依存しているエネルギー事情を一変させる可能性を持っています。

 太陽で起きている核融合反応を地上の施設で起こし、その際に出るエネルギーを取り出すこの実験施設は日本、アメリカ、EU、ロシア、中国、韓国が参加する国際プロジェクトとなっています。
 総事業費は約1兆3,000億円と見込まれています。

 この建設地を巡って現在ちょっともめています。
 日米韓は日本の青森県六ヶ所村を、欧露中はフランスのカダラッシュを推していて、「3対3」のこう着状態が続いています。

 実験炉を誘致した国(ホスト国)と誘致できなかった国(非ホスト国)で利益が変わってきますから、どちらも必死です。
 それに対しての妥協というか、改善案のような形で、ホスト国と非ホスト国の役割を配慮した案が協議されました。
 日本政府は2005年5月3日、ITERの建設地について六ヶ所村への誘致断念を視野に入れ、関係国と調整に入る方針を固め、これによってITERはフランスに建設される見通しが強くなりました。



---ここから---



 新しいエネルギープロジェクトですね。
 実験炉の誘致場所でもめているようですが、プロジェクト自体は成功させてほしいものです。

 この記事を読んで思いましたのが、現在の日本の発電で大部分を占める原子力発電です。

 ディベートの古典Motionとして有名なもので、自分も現役時代には何回もやりました。
 原発廃止肯定派は原発の危険性を訴え、代替発電をすべきだ、否定派は原発の必要性を訴え、代替発電は無理だ、と主張するケースが多いと思います。

 最近のディベート界ではどう言われているのか知りませんが、自分が現役の頃は原発廃止肯定派の方が勝ちにくいと言われていました。
 ですが、今ではちゃんとした知識があれば原発廃止肯定派が有利だと思っています。

 原発廃止否定派の議論のプロセスを出します。

�仝業�は二酸化炭素をあまり発生しないクリーンな発電である。
��原発に代わるだけの電力を確保するためには、火力のような二酸化炭素を多量に発生させる環境に悪い発電方法しか現在の技術力ではない。
�I�力、光、バイオマス、燃料電池、地熱などクリーンなものだけではとても原発に対応するだけの電力をまかなえきれない。

 従って、環境と電力の安定供給を考えれば原発は必要である、と。

 自分がよく見てきた意見です。

 原発についてちょっと調べたんですが、それによると上に説明には嘘があります。

 まず、原発は発電の最中には確かに二酸化炭素を発生しないんですが、発電に到る段階、例えば原料のウランの発掘、その輸送、施設維持、廃棄物処理などで多量の二酸化炭素を発生し、とてもクリーンな発電ではないようです。
 発電後の廃棄物として出されるラジウムはとても有害で、その処理も随分とずさんなようで、環境に悪影響を与えています。

 また、ウランは石油よりも早く枯渇するため、原子力による発電は遅かれ限界がきます。
 いつまでも頼ることはできないんです。

 原発はクリーンではない。
 これは原発廃止否定派の根幹を揺さぶる事実だと思います。
 仮に、他に全く同じ量の二酸化炭素を出し、同じ電力を発生できる発電方法があったとしたら、その危険性から原発を取る理由は見当たりません。
 下手したら火力の方がマシって話になります。

 原発の危険性、放射能。
 ここで言うまでもないでしょう。

「原発に代わる発電所を建てる場所は、日本にはない」
 なんて意見を出されたこともありました。
 しかし、現に上のITERを日本に作ろうって話があった通り、場所がないというのは嘘です。
 それが本当なら、今後の日本には大規模施設は全く作れないことになります。

 どうでしょうか。
 遅かれ早かれ、原発廃止は現実に視野に入れなければいけないことだと思います。