天使の卵


 映画館には女の子同士かカップルしかいなくて、男一人で観ているのはおいらだけという状況に軽く引いた。

 あまり面白くなかった。
 映画なので当たり前だが、ドラマ『天使の梯子』よりはだいぶよかった。

 現在と4年前を行き来する時間軸の構成は、あえてそうする必要もなかった気がする。
 その作りのために、ラストが予想できてしまうので。

 映画がこのようにラストが予想できてしまう作りなので、劇場公開してすぐにも関わらず、映画から10年後をドラマでやったんだなと思った。
 映画のそれから4年後というのはラストだけにもってきて、ドラマの放送は劇場で公開されてしばらくたってからという構成にしたら、面白みが変わったのでは。

 具体的な内容に触れていくと、映像がキレイだった。
 市原隼人君演じる歩太が美大を目指す青年ってことで、劇中にたびたび出てくる絵の数々がよかった。

 春妃演じる小西真奈美さんが、とにかく清楚なイメージとして描かれていた。
 小西さんのファンなら、それだけでも観る価値があるかも。
 小西さんもああゆう激しいシーンを演じるんだなと、少しびっくり。

 市原君は……『リリイ・シュシュのすべて』ではよかったのに。
 表情の演技はいいが、喋ると時々ちょっと。
 特に、「あなた以外に誰がいるっていうんですか!」はなかった。
 小西真奈美さん、沢尻エリカさんの二人とキスシーンがあるのは羨ましい役ですな。

 ツボに入ったのが、歩太のこの台詞。



「強くなりたい。
 あなたを傷つける全てのものから守りきれるくらいに」



 くっさー。
 映画だからこそ言える言葉やね。

 ラストは、切ないことは切ないが、何のためにあんな結果にしたのか。
 観ている人を泣かせたいからだろうが、強引で都合のいいストーリーに感じた。