グーグーだって猫である


 原作も内容もよく知らないまま、タイトルで選んでみた。

 キョンキョン演じる漫画家の先生。
 飼い猫のサバが死んでしまって傷心。
 そこに、次のネコのグーグーがやってくる。

「2匹目のネコはいいですねぇ、1匹目の分までかわいがってもらえるから」

 ほのぼのとしたネコとの描写。
 おぉ、いい映画っぽい。
 ネコ好きの自分にはたまらん。

 と思いきや。
 いきなり、シリアスな方向に急展開。
 なんで、あのほのぼの感からこっちにいっちゃった?
 何が主題なのか、何を描きたいのか……。

 前半が80点、後半が20点。
 そのぐらい、後半は辛かった。
 それが主題なら、こんなタイトルにするべきじゃないだろうし、ネコの描写からの脈略や狙いが分からない。

 上野樹里さんが人生の説教モードに入ったシーンは、正直、引いた。
 監督とのセンスが違いすぎる。
 しかも、なんでその後、どうしようもない関係だったのに、途中経過を省いて、大円団になってんの?

 大島弓子さんの原作ファンからは、特に酷評されている様子。
 なんでも、大島さんの他のマンガを劇中に多用しているみたいね。
 そのせいで、あんなシリアスになっちゃったのか?

 犬童一心監督には、『ジョゼと虎と魚たち』でもだいぶやられたんだった。
 あれは田辺聖子さんの原作が大好きで、あのストーリーなら、さぞいい映画になるんだろうと期待したら。
 ジョゼが魅力的じゃなくなっているし、原作とは真逆といっていいぐらい違う結末には落胆した。
 原作は最後までほのぼので、心温まる話なのに……。

『いぬのえいが』もちと微妙だった。
『ゼロの焦点』は怖くて好きだったんだけどなぁ。

 犬童監督の『グーグー』、『ジョゼ』、『いぬ』に共通するものとして、優しい空気感は出せるんだけど、そこから何がいいたいのかってのがイマイチ。

 それでも、『ジョゼ』と『いぬ』はまだ観られたが、『グーグー』はひどい。

 キョンキョン、上野樹里さん、加瀬亮さん、森三中といったキャストはよかった。

 シリアスに入ってからのストーリーは全くもって合わなかった。
 ほのぼので通してくれたら、いい映画になったのに。
 もったいない。