ハウルの動く城




 いうまでもないですが、宮崎駿監督のアニメです。

 ネタばれが大量に含まれます。
 これから観る方が読むと、確実に面白みが半減しますのでご注意下さい。
 つーか、映画を実際に観ようと思っている人は読まないで下さい。
 すみません。

 念のため中身に関することは隠しておくので、どうしても見たい人だけ、反転させて見て下さい。






 期待値が高過ぎたのだろうか……ギター侍じゃないけど、ざんねーんっ! なとこが大きいです。



 まず、ストーリーで嫌だったとこ。

 18歳のソフィーが90歳のおばあちゃんに替えられてしまうこと。
 あまりに理不尽で可哀相で、嫌でした。
 ソフィー、なんもしてないじゃん。
 ハウルにちょっと関わったにしても、荒地の魔女の怒りをなぜそこまで買ったか分からない。
 まぁ、これがなきゃ物語が始まらないから仕方ないのかもしれないが、ここら辺はあっさり描き過ぎた感が。

 いきなりハウルの城に乗り込んできた、ハウル側から見たら敵か味方か、善人か悪人かも分からないソフィーという不法侵入者に対する扱い。
 ちょっと「誰だ?」程度ってのはないだろ。
 ハウルやマルクルが優しいってのは分かるけど、あんな感じですぐ住まわせてしまうのに違和感。

 ソフィーの大掃除について。
 勝手にやられると困ることがあるのに、あんな大々的な掃除をほっとくか?
 しかも、魔法で一発でキレイになるなら、あの掃除はいらんだろ。
 つーか、なんで今まで汚かったんだ?

 宿敵・荒地の女王が仲間に加わる。
 えっ、なんでそんな完全に信用できんの?
 ほらー、いい表情になったと思いきや、やっぱりとんでもないことしでかすじゃん。
 えっ、ソフィーさん、水なんかかけるなYo!
 そんなことしたら、カルシファーが、ハウルがっ!
 ……はー、自業自得の荒地の女王を助けて、さんざん利用したカルシファーと、自分のために必死に戦うハウルにはこの扱いですか、ソフィーさん。
 そりゃ、後で泣いても遅いですよ。

 カルシファーとハウルの契約の秘密を暴いたら、ソフィーの呪いを解いてやるって約束。
 完全に伏線だと思っていたら、ここは最終的にノータッチですか?!
 結局、契約の秘密ってなんだったんだYo!

 最後のカブのオチ。
 あちゃー、ここでそれを持ってくるか。
 なんてベタベタな……。
 いい意味ではないが、逆にびっくりしました。
 カブも最後になんかあるだろと思っていただけに、あーゆー呪いの解け方は期待外れ。
 カブの正体がアレってのも都合よ過ぎんだろ。

 最後はソフィーが皆にキスして終わりって、キスの安売りですか?!
 自分で自分のこと可愛くないとか言っておきながら、やることやるじゃん。と思うオレって性格わりぃー。

『千と千尋』に続き、またもラストは強引でした。
 無理矢理終わりに持っていった感が否めない。

 サリマンさん、あんな簡単に「くだらない戦争はやめましょ」なんて言うぐらいなら、最初からやらんで下さい!
 あんなにハウルを取り込みたがっていて、いぱーい人を殺したくせに……。
 それもハッピーエンドで誤魔化されたな。

 ソフィーの呪いって、完全には解けなかったよね?
 ハウルさん、自分が黒髪になったときは、
「美しくなきゃ生きていけない」
 なんて言っていたのに、おばあちゃんの髪の色になってしまったソフィーに対しては、
「星の色みたいでキレイだ」
 ってのは調子よ過ぎじゃあありませんか?

 ナルシストのハウルは、卑屈な少女(おばあちゃん)にキレイだと言い続ける。
 でも、それってやっぱり外見重視ってことですよね。



 ……はい、マジでギター侍なみに、いや、それ以上にめった斬りしました。
 なので、嫌だったところを更に書こうと思います。



 それは、キャラクター。

 主人公のソフィー。
 自分で自分のことを可愛くないと言う、卑屈な性格。
 うーん、好きじゃないです。
 魔法で呪いにかけられた成り行きとしては当然とはいえ、不法侵入のハウルの城でやりたい放題。
 カルシファーに対しては、何かとあれば、
「水かけるわよ」(=「殺すわよ」)という脅しで要求に従わせ、時には、
「カルシファー、凄ーい!
 さすがー!
 カルシファーならできるわよ」
 という、飴と鞭を使い分け、いいようにします。
 で、さっき書いた通り、最後にはみんなにキスして、ハッピーハッピーという。
 自分のことを可愛くないとか言っておきながら、かなりのやり手です。
 まぁ、これはある意味面白くもありますが、正統的な面白みとはちょっと違う気が。
 困ることがあるから無茶しないでくれよ、と言われたにも関わらず、案の定やり過ぎた掃除のせいでトラブル発生。
 ハウルの金髪が黒髪に。
「美しくなきゃ生きていけない」
 とマジへこみするハウルに一言も謝らず、「それもキレイよ」と言うソフィーばあさん。
 おいおい、まずは謝れよー!

 自分で自分を美しいと思っているハウル。
 まぁ、確かにビジュアル的にイケていますが、それにしても、
「美しくなきゃ生きていけない」
 なんて言って、悪霊(?)を呼び、体がアメーバ状になるほど落ち込まなくたって……。  そこまでやられると引きます。



 この大作をここまでけなしていいんだろうか?

 不安になってきたここら辺で、いいところも。



 まず、映像は素晴らしかったですね。
 海外で賞をもらうだけのことはあります。
 この絵を観ているだけで楽しめますわ。

 音楽も素晴らしい。
 久石譲さんは相変わらずいい曲を描きますなぁ。
 見事に映像や世界観とマッチしています。

 ストーリーはめった斬りしましたが、世界観は好きでした。
 現実とメルヘンの両方の要素があるところがいい。
 メルヘン部分には宮崎監督らしさが出ていました。
 現実部分では、戦争の悲惨さを暗示していたように感じました。

 キムタクの声優は意外にもよかったです。



 いいところ、ダメ出しに比べて短っ!
 言葉にするとどーしてもねぇ……。



 なんだかんだで、確かに残念ではありましたが、映画としてはまぁまぁ面白かったですよ。