THE HURT LOCKER(ハート・ロッカー)


 いやはや……。
 ハンパないね。
 かなりエグい。
 描写もストーリーも精神的にも。
 たぶん、観ていて気持ち悪くなる人もいるだろうし、生理的に無理って人も多いだろう。
 よくこれを女性の監督が撮ったな……。

 自分はもちろん、戦場に行ったことはないわけだから、「リアルな戦争」といったら、何かが表現として違う。
 ただ、それでもいいたくなる。
 この映画はおそらく、戦争をかなり事実に近い描き方をしているのではないかと。

 イラクでの爆発物処理班といったら、いつ死んでもおかしくない任務で、まさしくそこは戦場。

 自分の命を軽視するかのように、爆弾処理をする兵士。
 それに激怒する兵士。
 カウンセリングを受けながら任務につく兵士。
 どの人の気持ちもよく分かる。
 まともな神経じゃいられないだろうし、頭がおかしくなっても当然だと思う。

 どんなに命をかけて爆弾を処理しても、終わることはない。
 これは無限地獄。
 なんで、こんなことができるんだろうね。
 平和ボケした自分には、こんな仕事は頼まれても絶対にできない。

 市民の安全って、犠牲の上に成り立っているんだと、改めて実感した。
 戦争という極限状態においては顕著だけど、そうでなくとも、自衛隊、警察、消防隊といった仕事もハンパないんだろうと察する。

 ジェームズを動かすものは、使命感や人の心だけじゃないんだろうなぁ。
 ああいった異常な環境に慣れすぎたのか、平凡な日常生活の方がかえって違和感という。
 これもある意味、悲劇かもしれない。

 アカデミー賞をとったことには賛否があるみたいだけど、自分は納得。
 素晴らしい作品だと思う。
 ただし、かなりエグいので、そりゃ万人ウケはしないわ。

『ハート・ロッカー』のスペルは「The Hurt Locker」。
 究極の苦痛に晒される場所、いるだけで心が痛む場所のことを指す。
 確かに、そんな映画だった。