コクリコ坂から
最近のジブリ映画は欠かさず、映画館で観ている。
本作は、宮崎駿ジュニアの吾朗さんが監督、企画&脚本は宮崎駿さん。
吾朗さんの初監督作品となった『ゲド戦記』は正直、好きじゃなかった。
世間での評判も散々だった。
『コクリコ坂から』は賛否両論だけど、自分にはじんわりとくる良作だった。
エンターテイメント作品ではない。
淡いラブストーリーだった。
心理描写が細やかだよね。
時代設定が戦後の高度成長期だから、主人公の恋愛表現も奥ゆかしい。
16歳にも関わらず、自立した女の子ということで、表情の動きを抑えているものの、微妙な感情の動きを上手に描いている。
絵でこんなことができるんだから、すごいことだ。
絵も音楽も美しかった。
手嶌葵さんの唄は染みますなぁ。
『アリエッティ』も大好きな自分だが、あれも賛否両論だった。
本作との共通点として、観る人を選ぶ映画だと思う。
ジブリに『ラピュタ』や『ナウシカ』みたいな壮大なスケールを期待するファンには、物足りなく映るかもしれない。
自分からすると、それこそがジブリのよさなんだよね。
同じ映画しか作れないより、ずっといいじゃん。
そんなことをしていたって、観る側が飽きるまで繰り返すことになりかねない。
『アリエッティ』も『コクリコ坂から』も、心で感じとるものがある人には、いい映画になるはず。
淡い心理描写、細かい表情の変化、リアルな情景、自然の息遣い……。
こういったものを過不足なく描いていれば、伝わる人、伝わらない人が出てくるのは、仕方ない。
作り手は、一生懸命にいいものを作ろうとしている。
ということで、自分としては満足な出来栄えだった。