アヒルと鴨のコインロッカー / 伊坂幸太郎


 人から勧められた1冊なだけあって、めちゃめちゃよかった。
 最後は切なくて悲しくて、泣きそうになった。
 読後感が深くて、本を手放すのが名残惜しく、何度もページをめくり直した。

 もし読もうとしている人がいるなら、ネタバレをすると確実に面白みが激減するので、内容についてはあまり書きません。
 読むなら事前情報はあまり入れない方がええですよ。

 ネタバレなしでちょっとだけ書くと。

 小説の構成は、2年前と現在が並行して描かれる。
 ふたつの物語は最初は一見すると関係ないが、やがてつながり、フィナーレに向かう。

 小説内では緊張感のあるシーンが多い一方、コミカルな描写もある。
 読みやすい文体で、重いことも出てくる。
 つまりは、作者の技量がすごいってこと。

 映画にもなっていて、そっちは観ていないけど、最初に小説から入って本当によかった。
 なぜかというと、小説だからこそできるトリックがあるのだ。
 途中まで完全に読者を騙している。
 あれは映画だとどう表現しているのか分からないけど、映像じゃまず無理。
 このトリック部分を知らずに読んだ方が、間違いなくこの小説を楽しめる。