僕の好きな人が、よく眠れますように / 中村航


包装も好きです


 なんて微笑ましい恋愛模様。
 理系大学生の恋愛ということで、共感できる部分もある。

 最後まで爽やかだった。
 とってつけたような落ちや、作られすぎたストーリーもなく、いい出来栄えだった。
 恋愛小説なのに軽すぎず、薄っぺらくもなく。
 かといって深すぎるわけでもなく、読みやすい。
 感覚的な表現が不思議な印象を与える。

 恋をすると世界が変わる。
 はたから見ればバカップル。
 でも、くだらないことが二人にとっては最高に楽しい。
 なんだか、こっちまでニヤけてしまうよ。

 中村航さんは自分と同じ大学出身。
 留年して、卒業証書は学生センターのおばちゃんから受け取り、「がんばりなさいよ」と励まされたというエピソードがあったり。

 不思議な文章を書く人だ。
 感覚的で抽象的な言葉が多い。
 ふわふわしていて、掴みどころがないような。
 工業大学出身なのに理系臭さはそんなにないけど、理系の感覚もないわけではない。
 文系寄りのところに理系の要素も加わった印象を受ける。

 他には芥川賞候補になった『夏休み』を読んだ。
『100回泣くこと』や『絶対、最強恋のうた』なども読みたいな。