イン・ザ・プール / 奥田英朗
奥田さんは『空中ブランコ』で直木賞をとっているが、それは『イン・ザ・プール』の続編にあたる。
『空中ブランコ』も読むつもりだが、まずは順番通りにこちらから。
精神科医で変人デブの伊良部、エロ看護婦のマユミちゃんの神経科に訪れる変わった患者を描く、連作短編集。
マンガみたいに面白くて軽いので、さくさく読める。
小説なのに笑いながら読めるってすごいね。
患者は皆、変わった症状を訴えて神経科を訪れるのだが、どれも現代においてはありそうな病状である。
今回の5話の中では、『勃ちっ放し』『コンパニオン』『いてもたっても』がかなり深刻な状態だった。
『勃ちっ放し』は女性には少し分かりづらいかもしれないが、男としてはあんなことになったら真っ青だ。
『コンパニオン』は反対に女性の方が共感できるのかもしれない。
これも終わってる、あんな状態になったら人間おしまいだ。
小説内でもそうだったが、『いてもたっても』の状態になったら、まっとうな社会生活は送れまい。
『フレンズ』の高校生みたいな携帯電話依存も間違いなく世の中にいるでしょう。
中身のない、周りとの話題作りのためだけの趣味と行動。
自分の周りでも似た人がいたなぁ……。
表題作の『イン・ザ・プール』の患者がまだまともな方だった気がする。
状態としては辛いだろうけど。
伊良部という医者はそれら患者を上回る変態だった。
利口かバカかでいったら、バカだとは思うけど、ただのバカではない。
名医かヤブかでいったら、ヤブではないと思うが、名医とも呼びづらい。
それにしても、ユーモラスな小説だった。