かわいそうだね? / 綿矢りさ
表題作の『かわいそうだね?』と、短編の『亜美ちゃんは美人』の2篇を収録。
どちらも女子の世界だなー。
--- 『かわいそうだね?』 ---
彼氏が諸事情により、元カノとの同居を始めて、三角関係という話。
綿矢りささんの小説を読むのは『インストール』、『蹴りたい背中』に続いて3作目。
いつの間にか、おもしろ愉しく読ませる人になっていた。
ユーモアセンスが格段に上がっている。
それでいながら、純文学の要素もないわけではない。
女の子って、こんなこと考えていたりするのねーと、客観的に見て面白い。
たぶん、映像化したら、さほど面白くはならない。
小説ならではの心理描写が魅力。
ラストは爽快だった。
「かわいそう」って言葉を人に使うのは、いいイメージを持たない人が多いだろう。
読み終えると、このタイトルが非常にしっくりくる。
--- 『亜美ちゃんは美人』 ---
美人の親友にいつも隣に並ばれる女の子の話。
おぉ、いい短編を書きますなぁ。
最後はじんわりくる。
さかきちゃんは美人。
でも亜美ちゃんはもっと美人。
女性だったら、共感できる人は多いんじゃないかなぁ。
自分は女性ではないが、さかきと亜美の気持ちは、なんとなく想像できる。
やっぱり、最後がいいねぇ。
さかきの心情の変化が微笑ましい。
「ねえ、いままでの人生のなかで、どの瞬間が一番幸せだった?」
さかきからこの質問を受けた亜美の答えが、よく分かる。
幸せってきっと何気ないところにあって、通り過ぎて、しばらくたってから振り返ったときに気づくものなのかもしれない。