波のうえの魔術師 / 石田衣良
解説曰く、この小説は……
・経済コンゲーム小説
・青春小説
・成長小説
・魅力的な悪漢たちを描いたピカレスク小説
・株式の道案内をしてくれる情報小説
色んな要素が詰まっている。
今でこそメジャーとなった株の世界だが、この単行本が発表されたのは2001年ということに驚かされる。
つまり、石田さんが書き始めたのはまだ20世紀だったということである。
力のある小説家とは、先見の明があるものだ。
株に疎い人でも、問題なく読める。
読みながら株に少しずつ親しみが出てくるが、そんなことを目的とせずとも、単純に面白い。
軽妙に描かれている。
特に、後半は怒涛の展開だ。
世のホームレスには、たかだか数万円を高利貸しから借りたがために、自分の血を売って返済する者がいる。
しかし、いつまでたっても借りた金は消えないため、そういった生活を続けていれば、たいていは数ヶ月の命、どんなに頑丈な者でも2年ともたない。
そういった、社会の闇にも触れている。
この小説を就職前に読んだ人は、保険業界や銀行業界に対するイメージが悪くなりそうだ。
変額保険とは、また恐ろしい。
現実に問題となったことが題材とはね。
いつかは読んでみたいと思っていた石田衣良さん。
見事に期待通りの面白さだった。
変額保険