ミケと私の笑顔

「あーっはっはっは」
 テレビのお笑い番組を観ていて、思わず大声を上げてしまった。
 私はお笑いが好きだ。好きなタイプを聞かれると、いつも「面白い人」と答えている。
 今日も授業中に男子がふざけたことを言っていて、先生には注意されていたが、私は笑ってしまった。
 ちょっとイケメンのショータが突然、こんなことを言った。
「先生、サスペンダーがバーテンダーっぽいですよ」
 すると、ショータと仲のいい辛口のオカヤンが、またいいテンポで突っ込む。
「そんな腹の出たバーテン、いないって」
 先生のリアクションも面白くて、クラスがどっと沸いた。

 番組が終わってソファーから立つと、ミケがさっきからずっと隣にいたことに気がついた。ミケはソファーの上で、前足を胸の中に入れて腰を下ろしている。寝てはいない。
 ふと、ネコも人間みたいに面白さを感じたりするのかな、と思った。
 試してみよう。
 とりあえず、変な顔をしてみた。
 ミケはじっとこっちを見ているが、笑ってはくれない。ちっ。
 軽く小躍りしてみた。
 きょとんとした顔で見ている。おのれ。
 かわいいぞー。
 ミケの背中を撫でた。しっぽの付け根の辺りを撫でられるのが特に好きなことを、私は知っている。
 ミケは目を細め、気持ちよさそうにしていて、喉をごろごろと鳴らし始めた。
 あげくにはごろんと横になり、すりすりしてきた。かわいいー。
 ミケはお笑いよりも、私と遊んでいる方が楽しいらしい。そんなことが分かった日だった。